日本のプロ野球では試合中にピッチャーがベンチ前でキャッチボールをする様子がよく見受けられます。しかしメジャーリーグでは、この光景を目にすることがほとんどありません。

それは、野球場の形が大きく関係しているからです。

アメリカの野球場の多くは、観客に少しでも間近で観戦してもらうため、ファウルグラウンドが狭くなっています。狭いファウルグラウンドでは、鋭い打球を避けることができないため、アメリカでは試合中にベンチ前に出る選手がいないのです。

それに対し、日本の野球場はファウルグラウンドを広くする傾向があります。それは、野球以外のイベントで球場を使用することが多いからです。
ファウルグラウンドが広ければ、ピッチャーは打球に気を付けながらキャッチボールをして肩を温めることができます。

また、いい投球をするためにしっかり準備したいという日本人の几帳面さも、試合中のキャッチボールが定着した理由だといわれています。
現在、このベンチ前のキャッチボールを禁止する流れがありますが、長く続けられていることというのは、それなりに意味があって習慣化されているのです。
それを禁止することのメリットとデメリットを十分に考慮する姿勢が、日本プロ野球機構に求められています。