
「ブックメーカーのアービトラージって何?」
「どのような条件が揃えばアービトラージが使える?」
ブックメーカーにはアービトラージと呼ばれる必勝法が存在します。元々は金融業界のワードであるこの「アービトラージ」とはいかなるシステムなのでしょうか。
「一体どういう仕組みで絶対勝てるのか」「絶対に勝てるなら全員使えばいいのでは」とお思いになった方もいらっしゃることと思います。
そこで、この記事ではアービトラージの仕組みやメリット・デメリット、実際にブックメーカーで使えるのかどうかなど、アービトラージについてより深い視点から解説していきます。
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アービトラージとは
アービトラージ(Arbitrage)は裁定取引とも呼ばれる金融用語で、「同じ商品の異なる価格差を利用して必ず利益が出る」取引方法を指します。
最初に割高な方を売りポジション、割安な方を買いポジションから入り、その後価格差が狭まった時にそれぞれの反対売買を行うことで確実に利益を得ることができます。
ブックメーカーでもこのアービトラージという手法が利用できるのです。
すなわち、ある試合のオッズについて複数のブックメーカーを参照し、それらのブックメーカー間のオッズ差を利用して、どのような結果になっても利益が出るようなベット方法を行うことで、アービトラージを実現できます。
言葉だけでは分かりにくいので、実際に数字を見ながら見ていきましょう。
ブックメーカーのアービトラージ
前述の通り、ブックメーカーにおけるアービトラージとは「複数のブックメーカー間のオッズ差を利用し、試合結果がどうなろうとも利益が確定する」というベット方法です。
具体的に考えてみましょう。以下の画像をご覧ください。

これまで解説してきた通り、アービトラージとは複数のブックメーカーのオッズ差を利用して利益を確保するというベット手法のことです。
ここではチームAとチームBの試合に対するオッズをブックメーカー①とブックメーカー②がそれぞれ出しているという仮定で考えてみましょう。ここでは、引き分けは考えません。
なお、同じブックメーカー内で同一の試合に対して両チームにベットする行為は「両賭け」といって全てのブックメーカーで禁止されている行為となります。
上記の画像でブックメーカー①と②でそれぞれチームAとチームBにベットすることで、どのような試合結果になったとしても利益が確定する組み合わせがあります。

それはブックメーカー①でチームBに、ブックメーカー②でチームAにベットする組み合わせです。
例えば、それぞれのベットオプションに1,000円ずつをベットしたとします。
チームAが勝利した場合
ブックメーカー① 1,000円負け
ブックメーカー② 2,100円勝ち
ベット総額2,000円に対し、払い戻し2,100円で100円のプラス。
チームBが勝利した場合
ブックメーカー① 2,500円勝ち
ブックメーカー② 1,000円負け
ベット総額2,000円に対し、払い戻し2,500円で500円のプラス。
このようにどちらが勝利しようが、リターンが確定するのがアービトラージです。
そして、複数のブックメーカーでこれらのオッズの組み合わせを見つけることがアービトラージを使ったブックメーカー攻略となります。
なぜ起きる?アービトラージ
アービトラージはユーザーに損失が発生しない戦略ですが、なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。
ブックメーカーでアービトラージのチャンスが生まれる主な理由は以下の3つです。
その試合に対するブックメーカーの見解に差がある
ブックメーカーがプロモーションを実施している
ブックメーカーがオッズ設定に関してミスをしている
これらの中でアービトラージのチャンスが生まれる原因で最も多いのはやはり「ブックメーカー間の見解の差」です。
ブックメーカーの試合に対する見解はそのままオッズに反映されます。例えば、あるブックメーカーはA選手が有利だからとオッズを下げても、別のあるブックメーカーはA選手は不利だからオッズを上げるといった見解の差が生まれると、アービトラージを利用できるチャンスとなります。
アービトラージのメリット
確実なリターン
アービトラージは確実にリターンを得ることができます。
そもそも、どのような試合結果になってもリターンが得られるようなオッズの組み合わせを見つけることがアービトラージの目的なので、当然のメリットと言えるでしょう。
スポーツの知識はいらない
アービトラージはオッズ差にのみ着目すればいいため、そのスポーツに関する知識や分析力は一切必要ありません。
どのチームが強いだとかどの選手が有力などといった洞察がいらないため、誰でも簡単に始めることができるのも大きなメリットです。
アービトラージのデメリット
引き分けがある試合だと難易度が上がる
引き分けがあるスポーツではベットオプションに引き分けも含まれます。
3つの選択肢がある場合に、どの試合結果になってもリターンが得られるようなオッズの組み合わせを見つけるのは非常に困難です。
サッカーや野球のような引き分けになりうるスポーツでアービトラージを実践するのは現実的ではありません。
利益が薄い
アービトラージは見つけるのも大変ですが、仮に成功したとしても、その利益は非常に薄いものとなります。
アービトラージでは異なる試合結果にベットするわけため、一方のベットは必ず外れます。それでもなお、利益が確定することがアービトラージのメリットですが、その利益は非常に薄いものとなってしまいます。
大きな利益を得るためには莫大な資金が必要であり、その上、ブックメーカーにアービトラージがバレたらペナルティーのリスクもあることを考えると、割に合わない戦略と言えるでしょう。
アービトラージの落とし穴

オッズに差があるブックメーカーを見つけるだけで荒稼ぎができそうなアービトラージですが、実際にうまくいくケースはほとんどありません。
以下はアービトラージの持つ落とし穴です。
ブックメーカーが禁止している
アービトラージはほとんどのブックメーカーが利用規約で禁止しています。
アービトラージを利用されるとユーザーが必ずリターンを上げ、ブックメーカーが必ず損をするため、公平なスポーツベットとは言えないためです。
なお、ピナクルはアービトラージを行ってもよいという数少ないブックメーカーですが、ピナクルのみが認めていてもアービトラージは使えません。複数のブックメーカーでベットを行う必要があります。
チャンスがない
多くのブックメーカーはオッズを設定する際、競合しているサイトを参考にしています。何も見ずに自分たちの分析のみでオッズを付けることはありません。
仮に、最初だけ自分たちで独自にオッズを設定したとしても、その差を埋めるために一瞬でオッズを更新してしまいます。
ユーザーが実際にアービトラージのチャンスに出くわすのはほんの数秒程度であり、時間との勝負になります。たった数秒でオッズを見比べ、ベット額を計算し、ベットを確定させることは不可能です。
そのため、ブックメーカーでのアービトラージはチャンスに出くわす可能性がそもそも低いのです。
ベットのキャンセル
ブックメーカーが自分たちのオッズ設定のミスに気付かないまま放置されており、ユーザーがこれを見つけアービトラージを試みようとしたとします。
しかし、全てのブックメーカーは利用規約でユーザーのベットのキャンセルを行う権利を留保しており、ブックメーカーのオッズ設定のミスがアービトラージに利用されていると判断した場合、一方的にそのベットをキャンセルすることができるのです。
このように、ブックメーカーのアービトラージ対策は想像以上に厳しいものとなっているのが現実です。
